今、人材派遣の有効活用が注目を集めています。広告宣伝費や面接の時間をかけずに即戦力の人材の確保が可能であり、その結果として人事労務面において、固定費の削減や組織のスリム化などの効果を生じます。人材派遣活用におけるメリットやシステムのしくみを考察しながら、派遣と請負との相違点をご説明いたします。
人材派遣活用のメリット
直接雇用の場合
※以下の2点をいずれも満たす方
・初回の雇用契約が2ヶ月を超える方、または、初回の雇用契約が2 ヶ月以内でも、更新により2 ヶ月超える方。
・1日の所定労働時間および1週間の所定労働日数が、弊社正社員のおおむね4 分の3 以上である方。
人材派遣システムのしくみ
正社員や契約社員は働く企業と直接雇用契約を結びますが、人材派遣の場合は「派遣会社」と「派遣先企業」、二つの会社が登場するのが特徴です。派遣社員にとって、派遣会社は雇用契約を結ぶ雇用主、派遣先企業は実際にお仕事をする勤務先となります。
派遣会社はお給料の支払いや福利厚生、お仕事や就業条件の紹介、派遣先企業との交渉、スキルアップ研修などを通じて、派遣社員をサポートします。
派遣先企業は派遣社員に対して仕事の指示を行います。
派遣会社にスタッフ登録した段階では雇用契約は結ばれません。派遣先企業が決定し、お仕事が始まる時点で雇用契約が発生し、派遣期間の終了とともに契約も終了します。
派遣と請負の違い
派遣とは、自社の雇用する労働者を派遣先企業の指揮命令を受けて派遣先企業の仕事に従事させることです。それに対して請負とは、労働の結果として作業の完成を目的とするもので、請負契約に基づき自社の雇用する労働者を直接指揮命令して仕事の完成にあたるものです。
紹介予定派遣
派遣先に直接雇用されることを前提に、一定期間派遣社員として就業、派遣期間の終了時に派遣社員と派遣先企業が合意すれば、正社員や契約社員としての採用が決まる働き方です。派遣期間は最大で6ヶ月、3ヶ月程度に設定されることが多いようです。
「自分に合った職場で働きたい」求職者と、「いい人材を採用したい」企業が、派遣期間中にお互いを見極められるのが最大のメリット。仕事内容や職場環境、人間関係など、就職や転職の際にありがちな入社後のギャップを減らすことができ、安定した雇用関係を築くことが可能です。「正社員で働くからには長く働きたい」「経験が少なく転職活動が不安」「面接が苦手で自己アピールできない」「自分に向いている仕事かわからない」。就職・転職活動には不安がつきものです。
紹介予定派遣なら、派遣会社から仕事探しのアドバイスを受けられ、場合によっては教育研修などのバックアップもあります。就職・転職が初めての方でも効率よく就職活動ができる上、正社員採用の可能性が高まる働き方です。
紹介予定派遣の流れ
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派遣会社へ登録に行きます。「紹介予定派遣」を希望する旨を伝えておくと良いでしょう。
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希望や経験、スキルに合ったお仕事を紹介されます。社員として入社した際の待遇についても説明してもらえます。
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紹介予定派遣の場合は就業開始前に書類選考、面接、試験があることも。派遣会社の担当者と相談し、しっかり準備しましょう。
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派遣期間は直接雇用前の試用期間のようなもの。仕事に対する姿勢や周囲とのコミュニケーションも大切です。
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企業と本人に対し「雇用するか」「入社するか」の意思確認が行われます。入社を希望しない場合は断ることもできます。反対にスキル不足などの理由で断られることもあります。
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双方の合意があれば企業に直接雇用されます。正社員だけでなく契約社員などの場合もありますから事前の確認が必要です。